「最近、お酒に強くなった!」
そう感じたらそれは女性ホルモンが減少しているサインかもしれません。じつは女性ホルモンとアルコールには意外な関係があることはご存知でしたか?
そもそも酔うってどういうこと?
体内にとりこまれたアルコールは肝臓で分解されて体外に排出されるようになっています。このアルコール分解力が弱いと血液中に毒性があるアセトアルデヒドが残留しやすくなり、顔が赤くなったり、心拍数が上がったり、気持ちが悪くなってしまったりするのです。
じつは女性ホルモンの中でもエストロゲンはアルコール分解を抑制してしまう働きがあります。エストロゲンは排卵日前にピークに達し、その後減少していきます。そのため、排卵後から月経前にかけては酔いやすい状態になっています。
閉経後の女性がお酒が強い理由
閉経後にお酒が強くなる女性は少なくないそうですが、じつはこれはエストロゲンの分泌の大幅な減少と関係しています。お酒が強くなるのは良いことかもしれませんが、エストロゲンは美肌づくりにはかかせないホルモンです。アルコールをグイグイいける体質よりもツヤツヤのお肌が欲しいならばやはり、女性ホルモンを整えることは大切です。
また、じつは女性は男性よりもアルコール依存症になりやすいといわれています。依存症になるまで男性は10年以上かかることがほとんどですが、女性は5年程度でもなってしまうのだそうです。女性ホルモンの減少によりどんどん飲める体質になってしまえば、これに拍車がかかってもおかしくありません。女性ホルモンを分泌させ、ほどよく酔う体質をキープしておくことも大事なのです。
エストロゲンの分泌を促す方法
女性ホルモンの中でもエストロゲンは、その一部が脂肪細胞で生産されていることが特徴です。ですからあまりにスリムな人は十分なエストロゲンを産出できていません。痩せすぎている人は平均体重に戻すだけでも肌のツヤが変わってくることを実感できるかもしれません。
また、ストレスもエストロゲンの分泌を阻害します。なるべくストレスをためこまないように、アロマテラピーなど自分がリラックスできる方法をいくつか用意しておきましょう。
さらに、アルコールもエストロゲンを出にくくします。3週間にわたって毎日コップに3杯のお酒を飲み続けただけで、排卵が見られなくなったり月経異常をきたすなど、卵巣に何らかの異常を起こしやすくなるという研究もあります。自然流産を増やすともいわれているので、アルコールはほどほどにするにこしたことはありません。
嗜好品の中でも1日1杯程度のコーヒーはエストロゲンの体内濃度を上げるという研究もあります。これはエストロゲンの代謝に使われる酵素がカフェインの分解に使用されてしまうため、体内により長い時間エストロゲンがとどまりやすくなるためといわれています。ビタミンEを多く含む緑茶にもエストロゲン分泌を促進する作用があります。
アルコールをひかえて女性ホルモン豊かに!
実際、アルコールをひかえるようになってから、肌もキレイになり生理不順もなおったという声は数多く聞きます。禁酒までいかなくても、毎日ビール1缶飲む習慣があったところを週に2度程度にするだけでも効果を感じている人は少なくありません。
どいっても、ストレスもまた女性ホルモンの大敵なので我慢しすぎもよくありません。どうしてもお酒を飲みたくなったらできるだけアルコール度数の低いものにするなど、身体への影響の少ないものを選択するのもひとつの方法です。
また、体内でエストロゲンに似た働きをする植物性エストロゲンを摂取するのも良いでしょう。植物エストロゲンといえば大豆ですが、おつまみに大豆製品を取り入れるなどして、バランスに気をつけることをおすすめします。