「立ちっぱなしや座りっぱなしで足がだるい…」。
むくみは女性の大敵ですし、悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
今回はむくみの原因を知っていくためにも、人体の基本的な仕組みをおさらいしてみましょう。
【ポカリスエットにはなぜ電解質が含まれているの?】
ポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツドリンクを買ったとき、電解質という言葉を目にしたことはありませんか?電解質とはナトリウム、カリウムなどの人間が健康に生きていくために欠かせない血液に溶けている成分のことです。スポーツや風邪で大量の汗をかきます。
汗をかくと、水分だけではなく、ナトリウムやカリウムも失われてしまいます。電解質バランスが崩れると、体液が薄くなって脱水症状になります。そのため、スポーツドリンクには体液と同じ成分の電解質がバランスよく含まれているのです。体液の流れが悪くなると脱水だけではなく、血液やリンパの流れが悪くなります。身体を水路にたとえると、水がよどみ、詰まっている状態だといえます。
体液の流れが悪くなる原因は、塩分の摂り過ぎにもあります。電解質のバランスを整えているのは、腎臓です。血液中のナトリウム濃度が上がると、腎臓はなんとかして体液中の電解質のバランスを整えようとします。自動的に水を取り込み、体液のバランスを戻そうとするため、血液中に大量の水が含まれます。この水は身体の組織細胞に運ばれ、これがむくみの原因になるのです。いわば、“水びたし”になっている状態です。
立ちっぱなしで足がむくむ理由とは?
体液の流れを循環よく動かすポンプのような役割を果たしているのが、心臓とふくらはぎです。心臓から出ていく血管である動脈は、心臓のポンプが動かしてくれます。では、心臓に戻る血管である静脈には心臓のポンプ作用は働かず、ふくらはぎが心臓の役割を担っています。ふくらはぎが“第2の心臓”とよばれているのは、そのためです。
しかし、長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎのポンプ作用がうまく働きません。血液だけではなく、同じ体液であるリンパ液もふくらはぎのポンプ作用がないことには、うまく循環してくれないのです。ふくらはぎは足裏に直結している部位ですから、座りっぱなしで歩かない生活を送っている場合も同様です。ふくらはぎのポンプ作用が働かないと、身体がむくんで、全身が“だる重く”感じるのは、体液の循環がうまくいっていないためです。
【細胞が水浸しになる上に、循環しないと…?】
塩分の摂取しすぎで、細胞が水浸しになった上に、ふくらはぎのポンプ作用が働かないとどうなるでしょう?血液やリンパが滞ってしまうので、こりや痛みを感じる部位が出てきます。現代人が滞りやすい部位は、なんといっても肩や首。パソコン作業で体液が循環しなくなったことが原因です。体液が循環せずにヘドロのように詰まってしまうことで、さきほどお話しした“だる重い”疲れに襲われる人も多いです。全身の体液の流れが悪い人は、「なんだか疲れた」という症状になるでしょうし、頭部の血流が悪い人は頭痛を起こすこともあります。
むくみは足がぱんぱんで重いという症状以外にも、いろいろな不調の引き金になってしまうということです。特に女性は筋肉から生み出される熱量が男性よりも少ないため、冷え性の人が多いです。そのため、余計に血流やリンパの流れが悪くなります。というより、余分な水分によって冷やされた身体だからこそ、冷えてしまうのです。冷えとむくみは切り離して考えるものではなく、ワンセットでとらえた方がいいでしょう。つまり、体液の流れをスムーズにしてむくみを改善することは、女性の辛い不調の原因である冷えを取る近道でもあるのです。